2026-10-11
不動産を売却しようと登記簿を取り寄せてみたら、建物の状態や土地の内容が今の姿と違っていて不安になった方も多いのではないでしょうか。
特に静岡市では、昔からの住宅地や農地が用途変更や増改築を重ねてきた結果、古い登記簿と現況が食い違っているケースが少なくありません。
そのまま売却を進めると、契約のやり直しや価格交渉、場合によっては決済の遅れにつながるおそれもあります。
そこで本記事では、静岡市で不動産売却を検討している方に向けて、登記簿と現況が違う場合の基本的な考え方と、売却前に確認しておきたいポイント、そして実際の対処法の流れまでを分かりやすく解説します。
登記の専門用語が苦手な方でも読み進められる内容になっていますので、まずは落ち着いてご自身の状況と照らし合わせてみてください。
不動産の登記簿は、表題部と権利部から成り立ち、権利部は甲区と乙区に分かれています。
表題部には所在地や地目、地積、建物の種類や構造、床面積など、その不動産の物理的な状況が記録されます。
一方、甲区には所有権に関する事項、乙区には抵当権など所有権以外の権利関係が記録されます。
このように、登記簿は「不動産の姿」と「権利関係」の両方を示す公的な台帳であり、現況と一致していることが取引の前提になります。
しかし、実務では登記簿に記載された内容と現況が異なるケースが少なくありません。
典型的な例として、増築した部分が表題部に未登記のままになっている場合があります。
また、現況は宅地として利用しているのに登記上の地目が畑や田のままになっている、地積が実測と大きく異なるといった事例も見られます。

さらに、すでに解体して更地になっているのに、建物が登記簿上は残っているといった状態も、古い登記簿で生じやすい不一致の一つです。
静岡市で不動産を売却する際に、登記簿と現況が異なるままでは、買主が資金を借りるための融資審査が滞るおそれがあります。
金融機関は担保となる不動産の内容を登記簿で確認するため、増築未登記や地目・地積の不一致があると、担保評価や審査が慎重になりやすいからです。
また、相続登記の場面では、現況と異なる登記内容を前提に手続きを進めると、後から是正が必要となり、売却時期が遅れる要因になります。
このように、静岡市で安全かつ円滑に不動産売却を行うためには、古い登記簿を見直し、現況との相違を早めに把握しておくことが重要です。
| 登記簿の区分 | 記載される主な内容 | 現況と違う場合の主な影響 |
|---|---|---|
| 表題部 | 所在地・地目・地積・構造等 | 面積不明確による価格調整懸念 |
| 権利部甲区 | 所有者名義・持分・取得原因 | 相続手続き遅延や名義争い懸念 |
| 権利部乙区 | 抵当権等の担保権・用益権 | 融資審査遅延や抹消手続き負担 |
不動産を売却する前には、まず登記事項証明書を取得して内容を確認することが重要です。
登記事項証明書は、法務局の窓口のほか、オンライン申請によっても取得することができます。
このとき、土地は「地番」、建物は「家屋番号」で特定する必要があり、通常の住所表示だけでは請求できません。
事前に権利証や固定資産税の課税明細書などで地番・家屋番号を把握しておくと、静岡市内の不動産でもスムーズに請求できます。
次に、取得した登記事項証明書の内容と実際の不動産の状態を細かく照らし合わせることが大切です。
建物であれば「種類」「構造」「床面積」、土地であれば「地目」「地積」などが、現況と一致しているかを一つずつ確認します。

例えば、居宅として利用しているのに登記上は倉庫になっている場合や、登記面積と実測面積が大きく異なる場合には、売却前に是正が必要となる可能性があります。
こうした基本項目を整理しておけば、静岡市での売却活動を円滑に進めやすくなります。
さらに、静岡市では固定資産税の課税明細書や名寄帳を利用することで、登記と現況を補完的に確認することができます。
課税明細書や名寄帳には、土地の地目・地積、建物の種類・構造・床面積などがまとめて記載されており、所有者ごとの全体像を把握しやすい点が特徴です。
これらは市の税務担当課窓口などで交付申請ができ、直近数年度分までさかのぼって取得することも可能とされています。
加えて、地籍調査が行われた区域では、その成果に基づき登記簿や地図が見直されているため、地番や地積の整合性を確認するうえで有用な資料になります。
| 確認書類 | 主な記載項目 | 活用の目的 |
|---|---|---|
| 登記事項証明書 | 地番・家屋番号や権利関係 | 登記内容と現況の照合 |
| 固定資産税課税明細書 | 所在地や地目・地積等 | 課税内容と利用状況確認 |
| 名寄帳や地籍調査結果 | 所有地の一覧や地積等 | 全体把握と面積確認 |
まず、建物を増築したのに登記をしていない場合は、建物表題部の変更登記や増築部分の表題登記など、表示に関する登記を行う必要があります。
また、用途を居宅から事務所などに変えた場合には、建物の種類や構造が変わるため、建物表題部の変更登記を検討します。
すでに解体して存在しない建物が登記簿上に残っているときは、建物滅失登記を申請して、登記簿上も現況どおりに整理しておくことが重要です。
さらに、土地の利用状況が変わった場合には、地目変更登記や地積更正登記など、土地に関する登記手続が必要になる場合があります。

登記内容と現況の相違が疑われるときは、まず不動産の所在地を管轄する法務局で登記事項証明書を取得し、図面類と合わせて事実関係を整理することが大切です。
建物の構造や床面積の変更、土地の分筆や合筆、地目変更など、表示に関する登記の多くは、土地家屋調査士が代理申請できる専門分野とされています。
一方、所有者の住所変更や相続による所有権移転など権利に関する登記は、司法書士が代理することが一般的です。
そのため、売却を見据えた場合には、登記事項証明書を確認したうえで、表示の修正が必要か、権利関係の整理が先かを整理し、関係専門家と相談しながら進めることが効率的です。
静岡市で不動産を売却する場合、決済日までに必要な登記が完了していることが、引き渡し手続を円滑に進めるうえで重要です。
そのため、早い段階で登記事項証明書、固定資産税課税明細書、建物の設計図や増築時の図面、建築確認通知書など、現況を示す資料を手元に揃えておくと、登記の修正が必要かどうかを判断しやすくなります。
また、過去に地籍調査が行われている土地であれば、その成果に基づき登記簿や地図が改められているため、境界や地積の確認にも役立ちます。
こうした資料を整理してから相談することで、売却スケジュールに合わせた手続の見通しを立てやすくなります。
| 相違の主な例 | 必要となる主な登記 | 早期準備したい資料 |
|---|---|---|
| 建物増築未登記 | 建物表題部変更登記 | 増築図面・建築確認関係書類 |
| 用途変更や構造変更 | 建物表題部変更登記 | 現在の間取り図・工事契約書 |
| 解体済建物が登記上残存 | 建物滅失登記 | 解体契約書・解体写真 |
| 地目や地積の不一致 | 地目変更登記・地積更正登記 | 固定資産税明細書・測量図 |
登記と現況の内容が食い違ったまま売却を進めると、契約書に記載した内容と実際の面積や構造が異なることになり、契約不適合責任の有無を巡る紛争に発展するおそれがあります。
また、買主が金融機関から融資を受ける場合、登記簿の面積や権利関係が前提となるため、増築未登記や滅失登記漏れがあると審査が長引いたり、融資条件が変更されたりすることがあります。
さらに、決済当日までに必要な登記手続が完了していない場合、所有権移転登記や抵当権設定登記が行えず、引渡しや残代金決済そのものが延期となる可能性もあります。
このように、登記と現況の不一致を放置すると、売主・買主双方にとって重大なリスクとなる点を理解しておくことが重要です。

静岡市を含む全国的な傾向として、地籍調査が完了していない区域では、登記簿に記載された地積と現地の境界が必ずしも一致していないことが少なくありません。
特に、古くから利用されている宅地や農地では、長年の利用の中で塀や生け垣の位置が変わり、隣地との境界認識が登記図面とずれている例があります。
また、区画整理事業や住居表示の実施に伴い、現地の住所表示と登記簿上の地番が異なることもあり、対象地の特定に時間を要する場合があります。
このため、売却を検討する際には、地籍調査の実施状況や、公図・地積測量図と現況のずれを早めに確認し、必要に応じて境界確認や測量の手続を検討することが大切です。
登記や現況の不一致に不安を感じたときは、相談内容に応じて適切な専門家や公的機関を選ぶことが、安全な売却への近道となります。
権利関係の登記や所有権移転登記などについては、司法書士が不動産登記手続の専門家として、必要な書類の確認や申請の代理を行っています。
土地の地目・地積、建物の表示に関する登記や測量が必要な場合は、土地家屋調査士が境界や地積の調査、建物表題登記や表題変更登記などを担当します。
さらに、個別の手続や制度については、静岡地方法務局や静岡県・静岡市の担当窓口でも相談を受け付けているため、疑問点は早めに問い合わせ、売却スケジュールに余裕を持って準備を進めることが望ましいです。
| 状況 | 主なリスク | 推奨される相談先 |
|---|---|---|
| 増築未登記のまま売却 | 契約不適合・融資影響 | 司法書士・土地家屋調査士 |
| 地積や境界が不明確 | 境界紛争・面積交渉 | 土地家屋調査士・法務局 |
| 登記名義や権利関係が複雑 | 相続争い・決済遅延 | 司法書士・公的相談窓口 |
古い登記簿と現況が違うまま不動産売却を進めると、契約トラブルや価格の下落、決済遅延など大きなリスクにつながります。
特に増築未登記や地目・地積の不一致、解体済建物の登記漏れは、早めの確認と手続きが重要です。
登記事項証明書や固定資産税の明細書などを整理し、売却スケジュールに間に合うよう準備しておくことで、安心して取引を進められます。
登記と現況の違いが少しでも不安な方は、まずは当社へお気軽にご相談ください。
お客様の状況を丁寧にお伺いし、必要な手続きや進め方をわかりやすくご案内いたします。
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