不動産売却後の確定申告で必要な減価償却とは?計算方法や注意点を解説

不動産売却後の確定申告で必要な減価償却とは?計算方法や注意点を解説

この記事のハイライト
●減価償却とは、建物の年数が経つにつれて下落する資産価値を経費として計上すること
●減価償却費の計算方法は定額法と定率法の2種類がある
●事業用不動産と非事業用不動産で計算方法が異なるため、注意が必要

不動産を売却した際に売却利益(譲渡所得)が出た場合は、翌年に確定申告が必要です。
その譲渡所得を算出する際に用いるのが減価償却です。
この記事では、減価償却とは何か、計算方法や注意点を解説いたします。
静岡市駿河区、葵区、清水区、焼津市、藤枝市で不動産売却を検討中の方は、ぜひ参考にご覧ください。

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不動産売却後の確定申告で必要な減価償却とは?

不動産売却後の確定申告で必要な減価償却とは?

減価償却とは、家屋や機械などの使用年数が経つにつれて目減りしていく資産の価値を年ごとに経費として計上する会計用語です。
不動産においては、不動産所得(賃料収益等)の確定申告時や不動産売却後の譲渡所得税の確定申告時に用います。
マイホームの売却においては、経年で建物の資産価値が下落した分を減価償却相当額として、譲渡所得税の確定申告時に計上します。
なお、減価償却の対象となるのは建物のみとなり、土地は含みません。
建物は年数の経過や使用することによって経年劣化していくのに対し、土地はとくに年数で資産価値が変わることはないからです。

譲渡所得税とは?

譲渡所得税とは、不動産売却で得た利益(譲渡所得)に対して課される税金のことで「譲渡所得×所有期間に応じた税率」で税額が決まります。
譲渡所得の計算式は以下のとおりです。
譲渡所得=収入金額-(取得費+譲渡費)
収入金額とは不動産の売却代金にあたり、取得費は購入するときにかかった費用、譲渡費は売却時にかかった費用にあたります。
不動産売却の確定申告において、減価償却は取得費を計算するときに用います。
建物の売却価格は、購入時の価格よりも経年劣化した分だけ下がります。
そのため、正確な譲渡所得(売却利益)を計るには、取得費にあたる購入時の価格から減価償却費を引く必要があるのです。
ちなみに、取得費は購入代金以外に、登録免許税、不動産取得税などが挙げられます。
譲渡費は、仲介手数料や印紙税が該当します。

減価償却費の計上は必ずおこなう?

減価償却費は、法定耐用年数に応じたペースで計算します。
法定耐用年数とは、国が定めた固定資産の使用期間のことです。
では、築年数が法定耐用年数を超えている中古住宅の場合は、どうなるのでしょうか?
法定耐用年数を超えた中古住宅を売却した場合でも、減価償却費は計上できます。
法定耐用年数は建物の構造ごとに、以下のように異なります。

  • 木造または合成樹脂造:33年
  • 鉄骨鉄筋コンクリート造または鉄筋コンクリート造:70年
  • 金属造:28年~51年
  • れんが造、石造またはブロック造:57年

なお、上記耐用年数は非事業用(居住用)建物の場合です。
事業用建物の場合は、上記耐用年数よりも短い年数となります。
非事業用の耐用年数が事業用の耐用年数よりも期間が長いのは、居住用不動産の売却ではなるべく税金を発生させないようにするためだと言われています。
そのため、非事業用の耐用年数は事業用の1.5倍の耐用年数となっているのです。

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不動産売却における減価償却の計算方法とは?

不動産売却における減価償却の計算方法とは?

では実際に、減価償却費を計算してみましょう。
減価償却費の計算方法は、定額法と定率法の2種類あります。
平成28年4月の法改正以降は、定額法でしか計算できなくなりました。
ただし、法改正よりも前に登記した不動産(事業用)については、定額法と定率法の併用による計算も可能です。

定額法の計算式

定額法による減価償却費の計算式は、下記のとおりです。
建物の購入代金×0.9×償却率×経過年数
償却率とは年間ごとに喪失する価値の指標のことで、建物の構造ごとの法定耐用年数によって決まります。
非事業用の建物の償却率は、下記のとおりです。

  • 木造または合成樹脂造:0.031
  • 鉄骨鉄筋コンクリート造または鉄筋コンクリート造:0.015
  • 金属造:0.020~0.036
  • れんが造、石造またはブロック造:0.018

経過年数は、建物を購入してから売却までの所有期間になります。
年単位での計算のため、6か月以上1年未満の期間は1年とし、6か月未満の期間は切り捨てます。
たとえば、購入から10年3か月の年月が経過している場合は、3か月は切り捨て、経過年数10年として計算します。

定率法の計算式

定率法の減価償却費の計算式は、下記のとおりです。
前期末の帳簿価額×定率法の償却率
定額法との違いは、建物の購入代金ではなく、前期末の帳簿価格で計算する点です。
そのため、定率法では初年度の減価償却費がもっとも高い値となり、2年目以降は帳簿価格が減っていくため、減価償却費も低くなっていきます。
なお、マイホームの売却においては、売却した年の翌年の確定申告時にのみ減価償却費の計算をするため、定率法は使いません。

耐用年数を計算

事業用の物件を取得した時点で築年数が法定耐用年数をすでに超えている場合は、以下の計算式で耐用年数を計算します。
法定耐用年数×0.2
法定耐用年数の一部を経過している中古物件の場合は、以下の計算式で耐用年数を算出します。
法定耐用年数-経過年数+経過年数×0.2
なお、1年未満の端数は切り捨て、合計年数が2年未満の場合は2年とします。
また、非事業用不動産の場合は築年数が法定耐用年数を超えていても関係なく、上記の計算式は用いません。

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不動産売却における減価償却費の注意点

不動産売却における減価償却費の注意点

最後に、減価償却費を計算するうえでの注意点を3つ解説いたします。

注意点①事業用と非事業用で計算が異なる

前述のとおり、減価償却費を計算する際は、事業用か非事業用かで耐用年数や計算式が異なるためご注意ください。
マイホームの売却では、売却した年の翌年の確定申告の際に、建物の取得費から減価償却費を差し引いて譲渡所得を計算します。
賃貸物件の場合は、賃料収入を確定申告する際に、経費として建物の減価償却費を賃料収入から差し引くことができます。

注意点②取得費がわからないとき

マイホームを売却した際は、建物の取得費から減価償却費を差し引いて譲渡所得を計算しますが、取得費がわからないときは困りますよね。
売却した不動産が先祖代々にわたって受け継いだものである、あるいは買い入れた時期が古いなどで取得費が不明の場合は、売却代金の5%相当額を取得費とすることができます。
たとえば、不動産を3,000万円で売った場合、概算取得費は150万円です。
なお、減価償却費については、建物の取得費(購入費用)の95%が限度となっています。
そのため、どんなに古い建物でも購入時の価格の5%は取得費として計上できます。

注意点③譲渡損失が出た場合

マイホームの売却では、売却利益(譲渡所得)が出た場合に譲渡所得税が発生し、確定申告が必要となります。
しかし、売却して譲渡損失が出た場合でも確定申告をすることで、損失分をそのほかの給与所得等と損益通算することができます。
譲渡所得を計算してマイナスになった場合でも、そのほかの収入と損益通算したい場合は、確定申告を忘れないように気を付けましょう。

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まとめ

不動産を売却した際に利益が出た場合は、売却利益に対して譲渡所得税が課税されるため翌年に確定申告をおこないます。
減価償却費は、課税対象となる売却利益(譲渡所得)を計算する際に用います。
しかし、計算方法は事業用か非事業用かで異なるため注意しましょう。
私たち「U2JAPAN株式会社」は静岡市駿河区を中心に葵区、清水区、焼津市、藤枝市の不動産売却を専門としております。
売却のプロが真摯にサポートいたしますので、不動産売却にお悩みの方はぜひお気軽にご相談ください。

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