2026-06-12
相続した実家をどうするかは、多くの方にとって悩ましいテーマです。
住む予定がないまま放置すると老朽化や防災面の不安、思わぬ近隣トラブルにつながることもあります。
さらに、固定資産税や管理コストといった負担は、時間とともにじわじわ家計を圧迫していきます。
一方で、相続人や名義、権利関係をきちんと整理しないままでは、不動産売却をスムーズに進めることはできません。
本記事では、静岡市で相続した実家を売る前に、必ず確認しておきたいポイントを整理し、タイミングや費用、税金の考え方まで分かりやすく解説します。
これからの暮らしや家族の状況を踏まえて、より後悔の少ない選択をするための参考にしてください。
相続した実家に誰も住まない状態が続くと、建物の老朽化が進み、台風や地震などの災害時に倒壊や飛散物の危険が高まります。
また、人の出入りが少ない空き家は、不法侵入やごみの不法投棄といった防犯面の不安も生じやすく、庭木の越境や雑草の繁茂が原因で近隣から苦情を受けることもあります。
国土交通省も、適切に管理されていない空き家は、防災・防犯・衛生・景観などの面で周囲に悪影響を及ぼすおそれがあると位置付けており、放置せず早めに活用や売却を検討することが重要です。
こうしたリスクを踏まえると、相続した実家には住まないと決めた段階で、売却を含めた具体的な方針を考え始めるのが望ましいです。

相続した実家を空き家のまま所有し続けると、毎年の固定資産税や都市計画税が発生し、清掃や草木の剪定、修繕といった管理コストも負担になります。
適切な管理が行われず老朽化が進行すると、「特定空家」や「管理不全空家」などに該当するおそれがあり、国土交通省が示すように、自治体から指導や勧告を受ける対象となる場合もあります。
その結果として、修繕や除却に多額の費用が必要になったり、固定資産税の住宅用地特例が外れることで税負担が増えたりする可能性もあります。
このように、空き家を持ち続ける経済的・時間的負担を考えると、将来住む予定がない場合には、相続後早い段階で売却を含めた選択肢を検討することが大切です。
相続した空き家については、国土交通省が案内している「空き家の発生を抑制するための特例措置」により、一定の要件を満たす場合、相続開始の日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すると、譲渡所得から最大3,000万円の特別控除を受けられる制度があります。
また、相続登記については、法務省が公表しているとおり、令和6年4月1日から申請が義務化されており、相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内などの期限が定められています。
静岡市でも、国の方針に基づき空き家対策を進めており、管理が不十分な空き家に対しては、助言や指導、勧告などが行われる仕組みがあります。
これらの制度や期限を踏まえると、相続した実家は、相続から3年以内の売却を一つの目安にしつつ、登記や税制の特例を確認しながら早めに動き出すことが重要です。
| 確認すべきタイミング | 主なポイント | 売却検討の目安 |
|---|---|---|
| 相続直後 | 居住予定の有無の整理 | 住まない場合は早期検討 |
| 相続から1年以内 | 固定資産税負担と管理状況 | 老朽化前の売却準備 |
| 相続から3年以内 | 特別控除など税制の確認 | 特例適用を意識した売却 |
まず、相続した実家を売却する前提として、「誰が相続人か」を正確に把握することが大切です。
被相続人の戸籍一式を取り寄せて法定相続人を確認し、遺言書の有無も調べる必要があります。
遺言書がなければ、相続人全員で遺産分割協議を行い、その内容を遺産分割協議書として書面にしておくことが望ましいです。

相続人や協議内容をあいまいにしたまま売却を進めると、後から権利関係の争いが生じ、契約のやり直しや無効につながるおそれがあります。
次に、登記名義が被相続人のままでは売買契約を結ぶことができないため、相続登記を済ませておくことが不可欠です。
不動産登記法の改正により、相続登記は原則として相続により所有権を取得したことを知った日から3年以内の申請が義務付けられました。
正当な理由なく申請を怠ると、過料の対象となる場合がありますので注意が必要です。
相続人としての名義へ変更しておくことで、売主の権限が明確になり、買主にとっても安心して契約できる状態を整えることができます。
さらに、相続人が複数いる共有名義の場合は、売却にあたり相続人全員の同意と協力が必要になります。
共有不動産を売却する際には、遺産分割協議書や委任状に相続人全員が署名し、実印で押印したうえで、印鑑登録証明書を添付するのが一般的な手続きです。
誰か一人でも反対している、連絡が取れない相続人がいると、売却手続きが進められず、期間が長引くおそれがあります。
そのため、早い段階から相続人同士で売却方針を共有し、必要な書類やハンコの準備を計画的に進めておくことが重要です。
| 確認項目 | 主な内容 | 未確認時のリスク |
|---|---|---|
| 相続人の範囲 | 戸籍で法定相続人特定 | 権利争い・手続き中断 |
| 遺言書・協議書 | 遺言書の有無と内容確認 | 分配方針不明確で紛争 |
| 登記名義の状況 | 相続登記の有無・共有者 | 売買契約締結できない |
まず確認したいのは、建物自体の老朽化や耐震性の状況です。
国土交通省は、適切に管理されていない空き家は倒壊や外壁落下など、防災・防犯・衛生・景観面で周辺に悪影響を及ぼすおそれがあるとしています。
また、空き家対策に関する資料でも、管理不全な空き家は防災性の低下や景観悪化など多方面でデメリットが生じると整理されています。
こうした点からも、売却前に建物の傷み具合や耐震診断の有無を把握し、必要に応じて専門家への相談を検討することが重要です。

次に、土地の境界や越境の有無を事前に確認することが大切です。
代表的なトラブルとして、塀や樹木、屋根、配管などが敷地境界線を越えている「越境」があり、解決しないまま売却すると、契約不適合責任や説明義務違反を問われるおそれがあります。
一般に、土地の売買では境界の位置を明確にしたうえで引き渡しを行うことが多いため、測量図や境界標の有無を確認し、疑問があれば早めに専門家へ相談することが望ましいです。
あわせて、建築確認申請どおりに建てられているか、増改築部分に建築基準法上の問題がないかなど、違法建築の有無も整理しておくと安心です。
さらに、室内に残された荷物や家具をどの段階で片付けるかも、売却計画に大きく影響します。
空き家を放置すると老朽化が進み、外観の劣化や防犯面の不安が高まることが国土交通省関連資料でも指摘されており、適切な管理とあわせて、室内の整理を計画的に進めることが求められます。
ただし、早い段階で一括処分してしまうと、相続人間の思い出の品や必要書類まで廃棄してしまうおそれもあります。
そのため、まずは残すものと処分するものを区分し、貴重品や権利証、図面などは保管したうえで、売却方針に合わせて片付けの時期や範囲を検討することが大切です。
| 確認項目 | チェック内容 | 売却への影響 |
|---|---|---|
| 建物の老朽化・耐震性 | 外壁ひび割れや雨漏り有無 | 安全性評価と価格への影響 |
| 境界・越境状況 | 境界標有無と塀や樹木位置 | 近隣トラブルと契約リスク |
| 残置物・片付け計画 | 残す物と処分物の仕分け | 売却スケジュールと費用 |
相続した実家を売却するときには、売却代金を受け取る前後でさまざまな費用が発生します。
また、売却益が出た場合には、所得税や住民税などの税金も考える必要があります。
どのような支出や税負担が生じるのかを一通り把握しておくことで、手元に残る金額を具体的にイメージしやすくなります。
そのうえで、資金計画や売却時期を検討していくことが大切です。
まず、売却前後に発生しやすい主な費用として、相続登記の登録免許税や司法書士報酬、土地の境界を確認するための測量費用、老朽化した建物を取り壊す場合の解体費用などがあります。
さらに、長年使っていない実家では、残置物の片付けや廃棄物処分の費用が必要になることも少なくありません。
売買契約を結ぶ過程では、契約書に貼付する印紙税や、売却手続を専門家に依頼した場合の報酬なども想定しておく必要があります。

このような費用は物件の状況によって大きく異なるため、早めに見積もりを取り、売却代金から差し引いた実質的な手取り額を確認しておくことが重要です。
次に、売却で利益が出た場合には、「譲渡所得」に対して所得税と住民税が課税されます。
譲渡所得は、売却価格から「取得費」と「譲渡費用」を差し引いて計算する仕組みであり、取得費には被相続人が購入した際の代金や仲介手数料などが含まれ、譲渡費用には測量費や解体費、売却に直接必要な費用などが含まれます。
そこから適用できる特別控除があれば差し引いた後の金額が課税対象となり、保有期間が長期か短期かによって税率が変わります。
計算方法を理解しておくことで、事前に費用を整理し、不要な税負担を避ける工夫がしやすくなります。
相続した空き家については、一定の要件を満たすことで「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除」を利用でき、譲渡所得から最大で3,000万円まで控除が認められています。
この特例は、相続から一定期間内に売却することや、耐震基準を満たすことなどが条件とされており、適用可否の判断には詳細な確認が欠かせません。
あわせて、静岡市が公表している空き家対策の制度や補助金等の情報も確認し、解体や管理に関する支援策が利用できるか検討することが望ましいです。
これらの特例や制度は、適用要件や受付期間が変わることがあるため、実際の売却にあたっては最新情報を踏まえて計画することが重要です。
| 費用・税金の区分 | 代表的な内容 | 事前に確認したい点 |
|---|---|---|
| 売却前後の諸費用 | 相続登記費用や解体費用 | 見積額と支払い時期 |
| 譲渡所得の計算要素 | 取得費と譲渡費用 | 領収書や資料の保管状況 |
| 特例・公的制度 | 3,000万円控除や空き家対策 | 適用要件と期限 |
相続した実家の売却は、老朽化や防災・治安リスク、固定資産税などの負担を軽くする有効な手段です。
一方で、相続人や名義、権利関係をあいまいにしたまま進めると、売却が止まってしまうおそれがあります。
建物や土地の状況、荷物の片付け方法、費用や税金、特例の有無まで整理しておくことが重要です。
当社では、相続登記や共有名義、空き家対策制度まで含めて、分かりやすく丁寧にご説明します。
「何から手を付けていいか分からない」という段階でも構いませんので、まずはお気軽にご相談ください。
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